アンコンシャス・バイアス(無意識の偏見)を知れば安全を確保できる
アンコンシャス・バイアス(無意識の思い込み、偏見)
![](https://i0.wp.com/design-safety-system.org/consulting/wp-content/uploads/2021/04/2021020600001.png?resize=257%2C300&ssl=1)
ちょっと考えよう
無意識の思い込み、偏見(=アンコンシャス・バイアス)は誰でも持っています。日常生活や職場などさまざまな場面で見られます。が、実は本人はほとんど、きづいていません。例えば、「~~~は、当然~~であるべきだ」「若者や高齢者は、~~な人ばかりだ」といった無意識なバイアス(=偏見や思い込み)があります。誰かと話すときや、人に接するときに、これまでの経験や、見聞きしたことから、「この人は~~だから、こうだろう」「ふつう~~だからこうだろう」というように、自分なりに人を解釈してしまう、それは脳の機能によって引き起こされています。
米国のCCPSが定めたプロセス安全
“安心を得るため様々な手順に従って、日々の安全管理をABC(Aたり前のことを・Boんやりせず・Chaんと)することで進めます。
それには下の図と下のサイトがABCにとっても役に立ちます。
![PSM Elements](https://i0.wp.com/design-safety-system.org/consulting/wp-content/uploads/2023/02/2023022300001.png?resize=325%2C200&ssl=1)
https://www.osha.gov/process-safety-management
でも、実行にさいして抵抗や反対はないですか。
PSM は、米国の化学プロセス安全センター(CCPS)が定めたプロセス安全に関する 技術的・組織的なシステム関連のリスクを左図の要素を通じて管理すること。危険物質やエネルギー放出等のハザードを洗い出し重大事故を起こさない管理をするのこと。
Process Safety Management :OSHA サイト、Wikipediaサイトが参考にななります。多くの実施しなければならないルールが決められています.
PSM自体を遂行することにアンコンシャスバイアス(=偏見や思い込み)はないでしょう。が、実行をする際に、「毎日毎日確認しているから今日はチェックをスキップしても大丈夫、とか、手順の改定期限が来ているが、改めて見直する必要はないだろう」のアンコンシャス・バイアス(無意識の偏見)はありませんか。
https://www.osha.gov/process-safety-management
PSM(Process Safety Management) from wikipedia
また、現在の安全教育は、社員が望んでいる教育ではなく、お仕着せ教育、強制参加の教育がほとんどではありませんか。
社員が自発的に取り組む機会を提供しない、上司や外部からの教育計画に基づくケースはうまくいきません。うまくいかないと失敗する、失敗するとケガ,死亡につながってしまう。
教育計画をよどみなく進め、安全をいかに確保すべきか、阻害要因はないか、お仕着せの活動ではないか、前向きな気持ちで活動をしているか、について意見をアンケートなど、またはミーティングでつかんでいますか。
重要なことは、安全に関わる従業経験などのない、オフィスの専門家やコンサルタントの意見ばかりにしないこと。そんなことばかりにすると社員は専門家たちの意見や助言に一方的に従うように言われて活動する。本来の改善にとりくむのではなくJust do it.
私たちは私たちだけで改善をしますWe just do it by our taem. 問答無用で私たちのたてた計画どおりに私たちがやりましょう。
自分たちでコントロールできる安全は、取組む人々から抵抗は出ません。どうすればいいのでしょうか。
今必要な「心理的安全性(psychological safety)」
心理的安全性(psychological safety)は組織の中で自分の考えや気持ちを誰にでも、安心して気兼ねなく発言できる状態。1999年に 組織行動学の研究者のエイミー・エドモンドソン博士が提唱しました(心理学用語)、「チームの他のメンバーが自分の発言を拒絶したり、ダメだしのない状態だと確信できる状態」です。
心理的安全性を勝ち取るためには、アンコンシャス・バイアス(=無意識の偏見、思い込み)について、”一人ひとりが私はどんな無意識偏見を持っているのかな、また持っているか”、と周りの仲間に問いかけて、認識して、改善するマインドセットが必要です。
25年も前に提唱された「心理的安全性」ですが、皆さんの職場はpsychological safetyである職場に出来上がっていますか。
知っておいてほしい、John P. Kotterの4つの原則
4つの原則から得られる心理的安全職場つくりの手掛かりは:
第1は、急速な変化には、まず「やらなくてはならない」ことを行い、さらに「やりたい」ことにも取り組む、そしてポジティブにボランティアな姿勢を育てる。
第2は、合理的・分析的を重視して、人々の心をつかんで支持を取りつけ、情熱的なボランティア精神と「やりたい」前向きな姿勢を引き出す。
第3は、マネジメントの手腕を発揮し、組織で重んじる計画の立案と組織づくりのリーダーシップ・コントロールをするだけではなく、ごく少数の人間にとどまらず、社員の多くがリーダーシップを振るうようにすること。
第4は、小グループのチームに特定課題に取り組ませ、その一方で、大勢の多様な人たちにも依存すること。幅広い情報と人的なネットワークをもっている人々(=規模が大きなグループとなり)の力を借りること。そうすると、社員・従業員がどのような変革を必要としているかを知ることができ、組織マインドによる障壁を乗り越えた変革を実行することができる。
心理的安全職場とし、安全活動を成功させるために
上はアメリカのオハイオで起きた事故です。
さて、従業員は膨大な情報の中で実務からビジョン及びミッション到達まで、常にいろいろな意思決定をしています。増加する情報をさまざまに解釈、考慮、行動のためにマネージャー(リーダー)とチームメンバーは、アンコンシャス・バイアス(=無意識の偏見)、先入観や思い込みによって偏った見方をしてしまう、またそれについて社員は自分自身では気づくことがほとんどない。相互注意がない、啓発がない。またされないと、“無意識の偏見”は相変わらず変化なし。
- これはあの人がやる仕事、雑用に決まっている。
- あの職場は2Sが弱いからケガは出るよ。
- 社内教育は短時間で一方的これでは、理解する暇がない。
- 双方向のコミュニケーションが風土となったいない職場だ。
- ……
これらは、パフォーマンスを阻害して適切に意思決定をすることはできません。マネージャー(リーダー)とチームメンバーが偏向(バイアス)に対処できるように支援しあうことは、どなたの仕事でしょうか。
全員の仕事ですが、全体のパフォーマンスの向上につなげるために組織の構成から新組織を考える、『組織は戦略に追随する』。
心理的安全職場を得るには、言行一致、不言実行
トップマネジメントが徹底的に率先垂範してコミュニケーションをする
効果的にコミュニケーションをする7つの原則を紹介します。
原則 | 内容 |
話は単純明快に | 的を絞り、専門用語を用いない。大勢の人々にわかりやすく、かつ簡潔に物事を伝えることができる。 |
悪い例 「われわれの目標は、修復に要する平均時間を短縮し、その值を内外の競争相手よりも小さくすることである。同時にわれわれは、新製品開発に要するサイクル·タイム、受注処理時間、その他顧客に関わるプロセスを改善することも目指している」
良い例 「顧客のニーズを満足させるため、同じ業界のどこよりも業務を迅速にこなそう、今から提案をしますから全員でディスカッションしましょう」 |
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比喻や類比、例を使う(メタファー、アナロジー) | 悪い例 「われわれは規模の経済がもたらす優位性を保持するとともに、競争の激しい、厳しい事業環境において顧客を維持、獲得するために、官僚主義的体質を排し意思決定をより迅速化しなければならない」
良い例 「われわれは巨象ではなく、顧客にやさしいティラノザウルスを目指しています。そのために……..」 |
様々な情報交換の場を多用する | 「大規模な会議、社内メモ、社内報、ポスター、普段の一対一のコミュニケーション、会話など、樣々な媒体(メディア)を駆使することで、ビジョンや思いは効果的に伝わるものである。同じメッセージが、四方八方から届けば、人々の耳に入る機会も増え、記憶に残りやすくなる」 |
ひたすら繰り返す | 「大々的な変革が成功したケースは、必ず何万回というコミュニケーションが図られている。コミュニケーションを繰り返すことよって、 従業員は理解し納得に時間がかかる、難しい問題を十分に把握できるようになる。ここにメッセージ文、あちらにメッセージと、会議の初めに1分、途中で2分、あるいは会話の終わりに1分間ほどその話題を取り上げ、スピーチの中でもたびたび簡単に触れる。こうした短いメッセージの積み重ねが、有効なコミュニケーションとして機能するのである。從業員と完全に同一体を目指すのであればこうした方法が必要。」 |
いったことを行動に移し、模範を示すことによりリードする
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悪い例 「事業部長は、1200名の従業員にスピードアップの重要性を力說し、迅速さを事業部の売り物にしようと訴えた。ところが、あるマネージャーの予算申請書の承認に9カ月もかけているあいだに新規市場の最も魅力ある部分を競合他社に奪われてしまった」
良い例 「ある航空会社では、顧客サービスを中心テーマに据えて新たな変革に取り組んでいる。社長は顧客から苦情の手紙を受け取ると、必ず48時間以内に自ら返事を出すことにしていた。やがて、社長の手紙の物語は社内中に知れ渡ることになった」 |
見るからに矛盾することは、はっきりと指摘する
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悪い例 「削減を掲げ、社員が苦境にあえぐときに、経営トップはジェット機をチャーターし、事務所は相変わらず豪華なままだ。」
良い例 「ジェット機、豪華な事務所など、余分なものを売却する。売却しない場合は、少なくとも、この時期にこうした贅沢な部分を売却しても意味がないことを說明する。」 |
聞く耳を持ち、話を聞いてもらう
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悪い例 「販売部が使用するための新しいハードウェアとソフトウェアの購入に関する基本コンセプトを説明しておけば、コンピュータに詳しい若い販売員なら、その基本コンセプトの欠点をすぐに気づいていたはずだ。しかし、実際には新しい装置の到着までに、說明会を一度も準備しなかった、その後、軌道修正コストは高くついた」
良い例 「双方向の議論を何度も行う。ほとんどの経験ある人は、議論し合う機会さえあれば、自分から積極的にその機会に飛び込む。 |
![](https://i0.wp.com/design-safety-system.org/consulting/wp-content/uploads/2023/09/rodan.png?resize=257%2C300&ssl=1)
ちゃんと、もっと考えよう