ロシア人（ソ連人）の発想方式は積分回路的

Table of Contents（コンテンツ目次）

Design Safety System

残念な出来事が起きています。
「発想のモザイク」（技術開発の民族風土）（昭和47年（1972年）5月）を見つけて読み出し、欧州の発想方式と各国の新型コロナウィルス感染の再増加と関連はないかを探っていました。

あれから3か月、もう一度読み返しました、ロシア人の発想方式について。

ロシア人（ソ連人）の発想方式は積分回路的

ロシアの発想の原点は自己にあり、発想方式は積分回路的であり、時定数はきわめて大である。ということ時定数のおさらい、時定数は過渡状態での変化の速さを表わす量で、時定数が小さければ変化する速さは速くなり、時定数が大きければ変化する速さは遅くなります。さてこの時定数のもと、ロシアとウクライナの交渉はどのように進むかです。

日本人は時定数は小です、ほとんど0だから、真の微分、変わり身の早さと私は受け取っています（早く時定数が大きくなるといいなと思います。）

時定数が小さい場合は早く定常状態に近づきますが、時定数が大きい場合はゆるやかに定常状態に近づきます。さて、残念な思いもかけないことが起きました。再考のため「発想のモザイク」（技術開発の民族風土）（昭和47年（1972年）5月）から引用します。

ソ連人の発想原点が自己の内にあることは議論の余地がないとして、発想のメディアとしてのロシア語は難物である。まずアルファベットが三二個 (うち二個は無音)で英語二六個の二三パーセント増しである。英語民族とは言語的観点からも違う、（日本語は55文字でした）

名詞はドイツ語と同じく男性、女性、中性と三性があり、かつ主格 (日本語の「が」に相当)、生格(日本語の「の」に相当)、与格(日本語の「に」に相当)、対格(日本語の「を」に相当)、造格 (日本語の「にて」または「をもって」に相当)、前置格(前置詞の後に使う)の六格がある。このほかに単数と複数があるから、名詞は合計一二個の語尾変化(その中には同じものもある)を持つ。

これらの難点も、名詞の性は語尾で区別でき、格の語尾変化 (日本語の「て」「に」「を」「は」を思えば同じこと)型はドイツ語の五割増しだが、総じて規則的な点に救いがある。

道具立ては大がかりで、発音もけっして美しいとは思えないが、力強いことは確かで、語尾のわずかな変化で大きいニュアンスの差を与える。

タイミングははなはだ悪く、とくに相手の挙動傾向はつかんでいないが、行為そのものは驚くほどよく記憶しているのは、発想方式は明らかに積分回路的。
その意味ではドイツ的である。

ソ連人とドイツ人の発想の差は時定数にある。

ソ連人の時定数はドイツ人の時定数にくらべてはるかに大きく、出力は入力のほぼ完全な積分、立ち上りはきわめて遅いが、時間がたっても出力は一向に止まらず(最近の交渉で出力を下げているように感ずる…….が）、入力は一定値に達しているのにそれを感じている様子は見られない。

ロシア人についていわれたジョーク「水をまけといいつけたら、雨が降ってもまいていた」はこのことである。

ゲインは大きいから出力の不安定発散の可能性がある。第一次世界大戦のタンネンベルクの大敗北などはこの一例であろう。それがソ連になってから、ぴたりと止まったが、これはゲイン操作をして不安定振動を抑制するからであろう。

たとえば、キューバ危機でケネディが大統領の１９６２年にキューバへミサィルを持ちこんだが、それをゲイン調節によって巧みに回避した。これは、帝政時代では全然行なわれなかったこと、その意味で現在（1972年）のソ連は高度システム国家であるといえる。

積分回路は位相遅れ回路で、問題になるのは過去のことであり、それによって将来を展望する。したがって、ソ連国内を旅行し、ソ連人に接した人はよく知っているであろうが、国力は進展しているのに意外に傾向は古めかしい。またソ連のコミュニケなどは実に含蓄に富んではいるが、それは積分回路によって得たもので、けっして微分的位相進み回路の出力ではない。

技術におけるソ連人の発想は、やはりきわめて大きい時定数を持つ積分回路的であることは、第二次世界大戦後における戦略と宇宙開発に見ることができる。ソ連は戦略の基本として、武器は核兵器、運搬手段はロケットと決定した。
これはアメリカがマンハッタン計画で開発した原爆と、ドィッが戦術兵器として開発したV2地対地ミサイルを基盤としたもので、まさに積分回路的である。

ただし、その積分、たとえばイギリスなどからフックス博士その他をスパイとして招鴨し、ここからは割愛省略します、……………………..なにものでもない。