世界で15秒間に1人、業務中に死亡の報告。さて日本では?

Creating a Safety Culture 安全文化構築

世界で15秒間に1人、労働災害の死亡が報告されています。さて日本では?

会社で業務中に病気やケガを負ったり、死亡事故が発生した場合や、通勤・退勤途中に事故などでケガをした場合のこと

「15秒に1人」を年に換算すると、『弐百十万人』前後の死亡発生、この210万人は新潟県の人口とほぼ同じ。

一方で、日本の労働災害統計,例えば令和5年の発表の死亡者数は755人、令和6年の死亡者数は631人、休業4日以上の死傷災害の件数は『≒十一万件』で、一件は一人の被災とすれと、労働災害死傷者数は下表の市の人口に相当します。さらに関係する人々の心身への影響、生活の変化や課題に対応する問題意識を持つようことを考えさせられました。

「世界で15秒に1人」というレベルと比べると「日本では11~12時間」に一人の割合になりなす。日本の労働災害による死亡頻度は世界レベルより低いことが分かりますが、「一日に二人お亡くなり」になっています。

二本松市(福島県) – 約113,000人 南アルプス市(山梨県) – 約111,000人 伊達市(福島県) – 約109,000人 北上市(岩手県) – 約107,000人
宮古市(岩手県) – 約112,000人 小美玉市(茨城県) – 約110,000人 甲斐市(山梨県) – 約108,000人 常陸太田市(茨城県) – 約106,000人

 

建設業や製造業、陸上貨物運送業などで多くの事故が発生しており、事故の原因は墜落・転落、交通事故、はさまれ・巻き込まれなどとなっています。

日本が長年にわたり安全管理体制

昭和47年(1972年)6月8日の労働安全衛生法交付から日本は53年間(長年)にわたり安全管理体制の整備や労働環境の改善、厳格な法整備・啓発活動などにたとえ取り組んできていても、一日に二人がなり悲劇を生んでいます、

どのように改善をしていけばいいのかを考えてみます。

 

人々が求めている安全文化という考え方は長い歴史

安全文化という考え方には長い歴史があります,チョルノービリ原発事故から39年(1986年4月26日1時23分、ウクライナ)と一か月も過ぎました。
チェルノブイリ事故の調査団が、「安全性の問題がすべてに優先するという価値観や行動様式が組織の構成員により共有されている状態」と安全文化を定義づけ、受け入れられています。 でもまだ39年。

 

安全文化は組織文化の一部を形成しています。組織には組織風土も存在しています。

 

「組織風土」は個人が持つ性格、行動様式、組織の持つ性格、行動様式に当たりなかなか変わらない。価値観は「組織文化」に存在し、価値観は個人、組織によって異なり、また時代や世のトレンドによって変化します。しかし、本質は個人が、組織が「何を大切に思うか」という点にあり、私たちの人生の方向性を決定づける重要な要素です。

 

 

さらに労働基準法(昭和二十二年四月七日)の厳格な運用や安全衛生法に基づく安全教育、設備構想・設計から保全・整備、設備廃棄等のライフサイクルに及ぶ安全性確保などにより、労働災害の死亡率は低減してはいます。が、一方で新たなリスク、業種特有の解決しなければならない問題が起きています。高齢化、労働人口の減少、海外からの雇用者の増加、教育内容の陳腐化、働く環境の改革など。

労働災害の改善は業界⇒会社⇒部門⇒個別職場⇒業務内容の違いにそれぞれの単位組織の安全対策や職場文化・土壌がどのように反映されているのかを考えることが必要です。同じ会社でも安全文化を構築するチームのひとりひとりがゼロ災に向かうチームとして個々に活動し、業務⇒個別職場⇒部門⇒⇒会社へと展開した安全文化を構築する。

さらにWell-beingに向けて、働き方改革、ストレスに対する取り組み、過労死の問題、ハラスメント問題、職場・環境のリスクアセスメントもちろん危険源+関連のアセスメントの課題に対して土地汲んでいく。

さて皆さんの職場は気兼ねなくいろいろなことがいえますか、

Well-beingの大前提である心理的安全性(Psychological safety)は高い状況にありますか?

質問:

職場の改善について気兼ねなく、先輩後輩、上下関係、取引関係の隔てなく、安全に関する意見が言えていますか?
安全で健康的な職場をみんなで提供することを追求していますか?

みんなで和気あいあい、フリーディスカッション

安全で健康的な職場は、現在の状況をみんなで和気あいあいフリーディスカッションして、結果に基づいて、1)第一番目にやらなければならないこと、2)次に解決すべき課題や問題を話し合い、3) チームの安全軸を決め全員でその軸を守り、維持、太くする…この軸がチームメンバーの存在価値の姿だと、継続して安全軸を支え、その軸からチーム活動がはずれないように相互に啓発してケガゼロの継続をしていきます。

ケガゼロは日々の短期的な実績を上げる

仲間一人一人が安全ルールを日々ではあるが積み上げケガゼロの日々実績を作ること。この先の安全ルールはどうするかをみんなでディスカッションする。

安全文化を構築するチームの一員一員としての役割って何でしょうか。

  • チームの今の状況からの先行きをイメージし足固めをする。 ポイントは、活動が長年にわたると安全ルールが掛け声だけになり、安全ルールの狙いが消えかけていく、狙いを明らかにし、ルールを守り続けるためにすることを整理する。
    そんなときに、過去のしがらみ、制約にとらわれずに、 “あるべき姿”を描いてみること。

現状に縛られないためには、あるべき姿はこれだ、ありたい姿はまずこれだ、そうすればあるべき姿に限りなく近づくと意識しながらステップ、ステップを踏むごと、あるべき姿の方向にどんどん歩んでいく。そして周りのチームにも配慮しながらチームの持つ可能性を広げ、ダメだと思った限界を減らすことです。

チームに潜在している能力を伸ばす、引き出す

チームに潜在している能力を伸ばしたり、引き出したりするにはどうするの?

全員に向けた視線を持つ。具体的には、様々な”しがらみ”をはずし、もし、“自分がチームのリーダーだったらどうする”か、を考える。そして、
●チーム員は、個人個人がルールを守る、(Keep Safety Rules)などなど…のkeep rulesの意思を明確に、主体的に動き、自らを引っ張れば、そんな様子をチーム員みて、それを見たチーム員が自分を率いチームを率います。
●各メンバーが共通の理解を持ち、課題の性質や複雑性を深く考える、そうすると、そうなるまでにチーム全員が課題に同じ認識を持つまでの時間はかかりますが、取り組み、解決策を共に検討することが早くなります。かかる時間を短くします。タイムマシーンに乗ったような活動です。そして解決には、同じタイムマシーンに乗ったチームメンバーが、未来に向かって、“課題解決の全体を考えて優先順位付けをします。

 

 

“全体感”を考えて“優先順位づけ

“全体感”を考えて“優先順位づけをするときは、“攻め方(戦略)と道筋(戦術)を立てること”、さらに、
1)どのような課題分野を攻めるか、
2) どのようなチーム資源の使い方が有効か、
3)ここでは資源として何を補う必要があるか、
道筋の一本化を計ること。

“優先順位づけ 必要な資源(人,モノ、活動にかかわるお金)

置かれている状況の “全体”をとらえ、持っている強みと弱みの現状と将来に対する評価をする。その評価に基づいて、どのようなかたちで優位性を築くべきかを明確にし、維持に必要な資源(人,モノ、活動にかかわる投資のお金)の順位づけを行う。

”ナゼこの優先順位づけをするか?”
会社組織は組織の持つ資源に限りがあるからです。目標に到達するためにヒト ·モノ·カネをどのように投入するべきか、それは企業経営の重要事項です。企業経営をする必要がなくなってしまう、すなわち倒産すると安全管理は不要ですね。

また、資源だけの補充知るだけでは安全を確立する心がはいいていない、それでは不十分だと判断を行ったときには、必要な資源(ヒト·モノ·カネ)の中に目に見える”もの”ではない=内面的なモノゴトについて、と例えば、“教育できる人はうちにはいないよね”、と話し合い、こんな時はモノゴト(心)を教育する先生を外部のどこかから獲得します。が、教えることができる人,人財は内部にいます、外部ではなく内部に存在するようにしなければなりません。 もう一度、チームの可能性を高くあげるため、チームミーティングの時、”講師役の候補者はいないの?”と声をかけ、チーム全員が意見をいいコミュニケーションしながら、仲良しクラブにならないようにわきあいあい進める、チーム員のFeed back & Feed Forward!!

 

コラム:

でも、いろいろな分析・評価をするとき手段によっては好機のとらえ方やリスクへの対処が違ってきます。 展開の順番が替わると影響も変わってきます、結果も変化します。安全目標を立てるときは、“全体” をとらえて優先順位づけを行う。論理的左脳アプローチと、経験的アプローチの右脳感覚(経験、勘、度胸)を持って勝算ある戦略との組み合わせを活用することです。よくあることは、部分最適解を求めてしまうことが多く発生しています。大事なことは全体です、求める答えは『全体最適(解)』を意識してください。

 

優先順位づけする時の参加者、参加者は誰がいいの

検討・分析・評価をするときは、過去に行われた作業や、トラブル対応、作業を振り返ることが必須のため経験者を人選しますが、若いチームメンバーの将来の熟練・技量をあげるため若いメンバーを参加させて力量を研ぎあげ将来に備えていくことも必要です。

そうすると、チームメンバーが、検討・分析・評価するときの優先順位づけが“全体(最適解)”を考えてディスカッションをすることになります、また若いメンバーはその討議の内容を聞いたり、

”質問いいですか”と教わったりしながらバーチャルでの体験は安全ポイントの理解を深め、最適解を実践することになります。