リスクアセスメントの基礎、社会科学の基礎について

 

Risk Assessment at a glance

 

さて、社会科学の基礎って、どこにあるのでしょうか?

パレートの法則で有名なヴィルフレド·パレートは「政治経済の基礎、そして社会科学全般の基礎は、まぎれもなく心理学にある」と”基礎”は心理学だといっています。そして、社会科学の法則を心理学の原理から演繹できるようになる日が、いつかきっと来るだろう」と述べています。彼についてのWikipediaです。ヴィルフレド·パレート(1906年)イタリア の技師、 経済学者 、 社会学者 、 哲学者 

 
パレートの法則は、働きアリの法則と同じ意味合いで使用されることが多く、組織全体の2割程の要人が大部分の利益をもたらしており、そしてその2割の要人が間引かれると、残り8割の中の2割がまた大部分の利益をもたらすようになるというものです。
 
経済以外にも自然現象や社会現象など、さまざまな事例に当てはめられることが多く、法則と言うよりも経験則です。
 
そして自然現象や社会現象は決して平均的ではなく、ばらつきや偏りが存在していますがまとめてみると一部が全体に大きな影響を持っていることが多い、そのような現象を、つぎのように表現しています。
  • 仕事の成果の8割は、全体の業務時間のうちの2割の時間で生み出されている、語順を変えて言い換えると、全体の業務時間のうちの2割の時間が仕事の成果の8割を生み出している、ここでパレートの法則に基づいて 業務を見てみると、
  2割(20%)の時間をどのように使っているかに注視しこの20%時間の中味のパレート分析をすると、
  ・この20%のうち80%はe-mailと電話等のやり取りで占められていた。(驚き!!)、
  ・残りの20%はミッション・方針展開についてレビューをしてキャッチアップの方策を立てている。
  ・この時間の多くの時間は過去の出来事のキャッチアップ等に使っている。
 
  改善が必要だ!でもいつも時間がない。
  ・あなたの仕事の負荷を処理能力に照らして見直ししなければならない。
  • 売り上げの8割は、上位2割の顧客が生み出している。
  • アクセス数の8割は、サイト全体の2割に集中している。

 

パレートの法則をリスクアセスメントに使う

パレート法則をプラントのリスクアセスメントに使うと、そのステップは、

  • プラントのあらゆる危険性や有害性を洗い出し、特定する。
  • 危険性や有害性によるリスクの重大度(災害の程度)と発生確率(発生する可能性)を評価する。
  • リスクの重大度と発生確率の組み合わせによって、リスクの優先度を決める。このとき、パレート法則に従って、リスクの高い20%の項目に注力する。
  • リスクの高い項目に対して、リスクを低減するための対策を検討し、実施する。
  • 対策は、法令や規格を前提に置き、危険性や有害性を除去・低減する本質的対策、危険性や有害性を制御する工学的対策、危険性や有害性を管理する管理的対策、危険性や有害性から身を守る個人用保護具の使用などの順位で検討する。
  • リスクアセスメントの結果と対策の効果を記録し、定期的に見直す。

 

具体的には以下のようなものがあります

  • 工場、プラントで、爆発や火災、漏洩などの危険性を特定し、リスクマトリクスを作成する。
     リスクマトリクスは、リスクの重大度(縦軸)と発生確率(横軸)を軸にして、リスクレベルを色分けした表である。そして、リスクの高い項目を色付けし見える化する。
MIL ver. Risk Matrix
MIL ver. Risk Matrix
  • リスクの高い項目に対して、プロセス安全管理(PSM)の手法を用いて、リスクを低減するための対策を検討する。  PSMとは、化学プラントなどのプロセス産業において、プロセスの設計・運転・保守・改善などの各段階で、安全性を確保するための統合的な管理システムで、PSMには、プロセスハザード分析(PHA)、機器完全性管理、作業許可管理、事故調査、安全教育などの要素を含みます。
  • リスク低減対策、その効果を定量的・定性的に評価する。
  • 評価方法としては、リスクマトリクスの更新、事故発生率の減少、安全意識の向上などがある。
  • 評価結果をもとに、リスクアセスメントの見直しや改善策の追加などを行う。

以上が、パレート法則とリスクアセスメントの活動例です、参考になれば。😊

ここから先は続きます。

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