問題解決の最大公約数、プログラミング的アルゴリズムISO31000!

『The Friction Project』、著者はRobert I. SuttonとHuggy Raoです。この本は、組織内の摩擦が成果を達成することを困難にし、複雑化させ、時には不可能にする力について述べています。摩擦の一部は非常に有益であり、効率を向上させようとするリーダーが摩擦を排除しようとすると、状況を悪化させることがあります。『Friction Fixer(摩擦修復者)』になるためには、チームや組織が人々の情熱を無駄にせず、創造性や生産性を損なわず、資金や貴重なリソースを浪費しないよう提案しています。具体的には、①摩擦修復者として考え、行動する、②組織的に悪い摩擦を避け、修復する、③良い摩擦を維持し、導入することが挙げられます。

これまでのリーダーシップ論、思考などと多くが重なっていますが、『The Friction Project』に新しい気付きがありました。気づきの先はISO31000リスクマネジメントの3つの図でした。

 

リーダーシップ論、経営革新論、マネジメント論に関する思考体系

以下のような様々な理論が存在します。

リーダーシップ論:

  1. 特性理論: リーダーに共通する個人的な資質や特性を探求するアプローチ。
  2. 行動理論: リーダーの行動がフォロワーの成果達成を導くかを明らかにする理論。
  3. 条件適合理論: 集団が置かれた状況や条件に注目し、有効なリーダー行動を示す理論。
  4. リーダーシップ交換・交流理論: リーダーとフォロワーの相互関係がもたらす影響に着目した理論。
  5. 変革型リーダーシップ理論: 変革を推し進めるリーダーシップへの要請と研究に関する理論。
  6. 倫理型リーダーシップ理論: リーダーの倫理観や精神性に軸足を置く理論

経営革新論:

経営革新論は、組織の変革を促進するための理論で、リーダーシップ論の変革型や倫理型の理論と重なる部分があり、経営革新は、新しいビジネスモデルや戦略を通じて、組織の持続可能な成長を目指す理論、考え方です。

マネジメント論:

マネジメント論は、組織が目標を達成するために活動を維持し、促進する管理に焦点を当てた理論です。リーダーシップは組織の指導に、マネジメントは組織の管理に重点を置いています。

この理論は、組織やチームが成果をどのように達成するか、プロセスの実施やリーダーの役割を理解する枠組みを提供します。各理論は時代や状況に応じて進化し、多様なアプローチを取り入れています。(各論については別稿を検討中です。)

『The Friction Project(フリクション・プロジェクト)』には、各理論やプロセスと重なる部分がありますが、本記事は実行に使える標準としてISO31000リスクマネジメントを思考・実行の最大公約数として以下の記事を書いています。

思考方法:

問題解決や意思決定を行う際には、情報を整理し論理的に考えるプロセスが必要です。これには、データや事実に基づいた推論を行う演繹法や、観察から一般法則を導き出す帰納法などが含まれます。

ロジカルシンキング:

論理的思考は、直感や感覚に頼らず、情報を整理し筋道を立てて結論を導く方法です。問題を細分化し、各部分を個別に解決することで、全体の課題を解決するアプローチです。

プログラミング思考

プログラミング思考とは、コンピューターに指示を出すためのロジックを考える能力のことで、プログラマーがコンピューターに対して行う一連のコーディングや論理構築を指します。プログラミングでは、表示や計算などの基本的な命令、シーケンス(順序)、条件分岐、繰り返し処理などを組み合わせ、設計した通りの結果を得るために指示を行います。

AIの発達により影が薄くなっているデルファイ法:

デルファイ法は、専門家の意見を集約し、将来の予測や意思決定を行う手法です。この方法は、専門家にアンケートを実施し、回答を集計してフィードバックを行い、意見の収束を図ることを繰り返します。匿名性を保ちながら個々の偏見を排除し、平等な意見形成を促進します。プロセスは以下の通りです:1. アンケートの作成、2. 専門家からの回答収集、3. 回答の集計とフィードバック、4. これらのステップの繰り返し、5. 意見の収束を目指します。デルファイ法は多くのビジネスシーンで活用されていますが、人間の予測には限界があるため、デルファイ法の結果に完全な期待はできません。しかし、集団知を活用する一つの方向性として、有効な予測を提供することが可能です。

 

 

問題解決の最大公約数:3つのプログラミング的なアルゴリズム

最大公約数とは、

多様な考え方、理論、意見の中から共通点を見出し、対立するグループ間でも妥協が可能な価値観を見つけることが重要です。

経験が少なくても、天才でなくても、リーダーシップがなくても、日々の作業や仕事を容易にするツールがあります。それはISO31000標準に基づくこの3つの図です。

Clause5:リーダーシップ+コミットメントClause4:価値創造と価値の保護、Clause6:リスクアセスメントProcess 、これらは連携、相互作用、統合して使います。

問題解決のプロセス:

リーダーは、チームメンバーが自由に意見を述べ、議論し、自分の考えや感情を表現できるような、オープンで心理的に安全な環境を作り出すことで効果的な支援をします。このようなリーダーのサポートにより、安全で安心な状況が促進され、チーム全体の幸福感が持続します。

図はリーダーシップ⁺コミットメント、価値創造と価値の保護、リスクアセスメント。3サークルの連携、相互作用、統合は必須です。

問題解決の思考:
①現状把握のプロセス ②原因究明のプロセス ③意思決定のプロセス ④リスク対応の4つプロセスはディベートとディスカッションをしながら全員参加で議論のルールをきめてそれに従って進める。

フィールド調査をディベートとディスカッションを交えながら進め、調査後のプロセスではリーダーが解析を効果的に支援し、活動後もチームメンバーが自由に意見交換し、自身の考えや感情を表現できるオープンで心理的に安全な環境と雰囲気の構築が重要です。リーダーがチームの疑問を解消することで、変化する時代において安全で安心な環境を築き、全員の幸福(ウェルビーイング)を維持することができます。

Friction Fixer(摩擦修復者)の思考方法への最大公約数はISO31000リスクマネジメント

図はClause6:リスクアセスメントProces
組織内の問題を特定し、解決する思考方法:。

  • 問題の認識と診断:
    組織内の摩擦を特定し、問題を正確に診断するには原因を理解します。問題把握を正確にするには、共感と視点の多様性が重要です。組織の人々の視点を理解し、共感し、問題の本質を把握します。そしてアイデアは組織内の異なるバックグラウンドの人や様々な経験を持つ人々と協力して、多様なアイデアを収集します。
  • 解決策の探求:
    問題を解決するためのには、既存のプロセスの改善、コミュニケーションの改善、リソースの最適化などが含まれます。
  • 実行とフィードバック:
    提案された解決策を実行し、結果を評価します。フィードバックを受け入れ、必要に応じた修正を加えます。

問題解決にはチームメンバーや同僚と協力してコミュニケーションを円滑にし、共同作業を促進することが欠かせません。

  • 持続的な改善:
    摩擦を修復するだけでなく、持続的な改善を目指し,組織文化を変革する、DNAは同じでも、文化はさなぎから芋虫、そして蝶になるような文化変革です。

 Friction Fixerとしての行動方法へのISO31000

図はClause6:リスクアセスメントProces

問題の特定と分析:

組織内の問題や摩擦の特定時には、“問題はこういうことが今起きている”程度の認識ではなく、多くの問題を深堀分析し「特定と分析」をすると、“これとこれが問題だ”と特定・分析・認識する。問題の特定分析には多くのステップと時間が必要です。場におけるコミュニケーションの問題、プロセスのバリヤー、人々の衝突などの解決が含まれます。原因を分析し、根本的な要因を理解します。

多くの異なるバックグラウンドや経験を持つ人々とグッドコミュニケーションの場で協力し、人々の視点、理解、認識を理解し、共有することは問題の本質的把握につながってきます。

 

根本原因解決策の提案、本質改革の提案と実行:

既存のプロセスの改善、コミュニケーションの改善、リソースの最適化などが含まれます。解決策を実行し、結果を評価します。

摩擦を修復するだけでなく、持続的な改善を目指し、問題の再発を防ぐために、組織文化を変革し、継続的に学びを繰り返す学習の場を作りLearning Companyになるように進みます。

チームとの協力の実施
PDCAのPの中にPDCA、Dの中にPDCA,Cの中にPDCA,AのなかにPDCAを廻し続け問題解決を図りさらにプロセスを改善し、より効果的になるよう努力します。チームの健康と安全、生産性を向上させる役割を果せるようにコミュニケーションを円滑にし、共同作業を促進し、フィードバックをフィードフォワードし必要に応じた修復、修正をします。

 

まとめ

職場に残っている複雑さ、非効率さに悩んでいませんか。すべての行動に目的があり、すべてのプロセスが有効に効率的に回り続け、チームは会社理念、ビジョンの実現を試みている、そのためには、

目標:

 

  • リーダーシップスキルを強化する:
    ポジティブな摩擦を受け入れながら、有害な摩擦を特定して排除する。気兼ねなく意見が言える、Psychological safetyを確立する。
  • チームの効率を高める: 実践的な演習を適用して学んだスキルをつかいプロセスを合理化し、コラボレーションを促進する。
  • 組織の変化を促す: チームの共感を呼び、組織の目標と一致する行動計画を実施する。

理論だけでなく、3現主義を取り入れる。

あなたが経験豊富な経営幹部、新進気鋭のマネージャーを作りだし、幹部、マネージャークラスに変化をもたらし、効果的な「Friction Fixer(摩擦修復者)」「問題解決者」になり、生産的で充実した業務を遂行、前進する。

 

 

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