安全文化：「知識の島が大きくなるにつれ、無知の海岸も伸びる。」

「知識の島が大きくなるにつれ、無知の海岸も伸びる。」

アメリカの物理学者の言葉です。ジョン・アーチボルト・ホイーラーは、アインシュタインの共同研究者、一般相対性理論、量子重力理論の研究で多くの足跡を残しています。

さて、知識ってどこから来るのでしょうか、過去からの文化的情報が知識でしょうか？

決して、知識は未来からではないですね。知識の島が大きくなっても島が物理的に大きくならなければ、海岸線は伸びない。でも知識密度が上がり、ブラックホール化するとジョン・アーチボルト・ホイーラーは言っています。この言葉は、”さて、さて・・さて、ウーン”と考えさせられます。

業務でのトレーニングはこんなことになっていませんか？

さて少し話をかえます。たびたびJames Reasonの安全文化について紹介してきました、今日は、安全の文化について再チャレンジします。

マネジメントシステムと安全文化について

（1）OH＆S マネジメント·システムの確立

（a）安全プログラム：　

プラント、設計、装置の製造・組み立て、機械類の施工、試運転と運用時で起きる災害の防止には、施工、試運転, 運用時に潜在的に存在するハザードを予知する仕組みを作り、リスクを特定し、分析・評価し、ハザードを除去、軽減し、リスクの最小化を図ること。できる限り完全に撤去すること。

災害リスクを除去、軽減する安全プログラムの策定と運用は法律で事業者に課しています。

(b)セーフティ·カルチャー：　

プラントの安全確保は、安全は設計にはじまる！！　設計段階から運転、保全段階、廃却に至る全ライフサイクルにわたります、組織のすべての部門の関係者が同じ安全理念の下に活動を展開、実現の努力をしていること、それが文化です。

　組織にいる個人が安全への責任を果たすぞと決意して、その決意を実行意欲と価値観、取組み姿勢、行動様式は「知的な財産として安全文化」（セーフティ·カルチャー）となります。

組織内のすべての人々に述べ続けられた永続的な「安全の思い」が「安全方針」で、その実践が安全な業務に連結します。そして日々の積み上げが「高いレベルの文化」となっていきます。

　室町時代の桃山文化、江戸時代の元禄文化のように民衆によって、お殿様と町人が安全の思いをポリシーとして浸透させ続けることにより文化となって、城下町のセーフティ·カルチャーとして城下町に醸成され定着しています。まだ地方、地方で文化の違いを感じます。

（c）安全ポリシーの策定

欧米社会、アジアの社会も、日本も安全ポリシーを経営トップが作成、社員に承認されていることを内外へ発信すること。それは、働く人々が安全な製品を安全な職場から市場に提供していますと、社員の社会的責任の自覚を示しています。

安全文化に必要な企業文化の確立手順

ではどうすれば、できますか？　下を参考にしてください、

１．安全ポリシーの策定：	セーフティ·カルチャーを全組織と人に根付かせるため、経営幹部による安全ポリシーの策定
２．実施要綱の作成：	安全ポリシーに基づく安全プログラムの策定および安全確保に関わる組織と人の責任と権限の明確化
３．安全関連ドキュメントの作成：	安全プログラムに基づく安全プログラムドキュメントの作成
４．安全プログラムの運用：	安全プログラムに基づく業務展開
５．緊急事態対応プランの策定：	事故災害発生時の緊急事態対応プランの策定
６．事故・災害の調査分析および記録：	事故災害発生時の調査分析および記録の作成と保管
７．トレーニングおよび監査の実施：	調査分析の教育トレーニングの計画，実施、認定。再発防止、類似災害防止策の監査の実施