脳波をアルファ波へと導く7つの方法
成果達成を困難にする組織内の「摩擦」
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組織内の「摩擦」は成果達成を困難にし、複雑化させ、時には達成を不可能にするが、リーダーが効率を上げようと全「摩擦」を排除しようとすると、状況を悪化させることがあるので、『Friction Fixer』として、チームメンバーの情熱、創造性、生産性、資源・リソースの価値や能力を最大限に引き出すことには、
①摩擦修復者として考え、行動する、②組織的に悪い「摩擦」を避け、修復する、③良い「摩擦」を維持し、導入すること。
(『The Friction Project』著者Robert I. SuttonとHuggy Rao)
3つに加えてさらに脳波をα波に導く7つの方法があります。
脳波をアルファ波へと導く7つの方法
- 私たち人間は、1日における時間帯の違いや活動の種類によって、脳内での電気活動が変化する。
- 脳の「アルファ波」を活用することで「フロー状態」に入ることができ、より少ない労力で仕事に没入することが可能になる。
- 脳のアルファ波には、穏やかな感情をもたらし、創造性を高め、新しい情報を吸収する能力を高める効果がある。
- 「瞑想」や「マインドフルネス」は、アルファ波によるフロー状態を生み、維持する有効な手段だ。ただし、それら以外にもフロー状態に入り、維持する方法はある。
アルファ波は脳波スペクトルの中心にある「8~13Hz(ヘルツ)」の脳波、アルファ波の周波数で脳が活動しているときは、新しい情報を簡単に吸収することができ、創造性が格段に高まる。
人間の脳には850億個の神経細胞があり、常に何らかの電気的活動が行われ、例えば、朝目覚めると、脳はまどろみのゆっくりとした「デルタ波」から、夢と覚醒の世界をつなぐ低周波の「シータ波」に移行する。また、覚醒して問題解決に取り組んだり、意思決定を下したりする際には「ベータ波」が使われる。さらに、アドレナリンとエネルギーに満ち溢れ、複数のタスクに熱中しているときにはベータ波よりも周波数の高い「ガンマ波」が使われる。
もっとも、仕事のパフォーマンスに関していえば、シータ波とベータ波の中間にあるアルファ派が最も価値の高い脳波となる。脳波がアルファ波にあるときは「仕事の催眠術」にかかっているような状態といえる。つまり、仕事に完全に没入しながらも、幸せでリラックスしていて落ち着いており、手際よく仕事をスケジュールどおりにこなしていくことができるのである。
アルファ波へ導く7つの方法
①心の合図を作る
この合図は、例えば、特定の文言やマントラを繰り返し口ずさむことであっても、特定の音楽を聴くことであっても、あるいは、深呼吸を複数回行うことであっても構わない。
②気を散らす要因を排除する
人間は仕事中、他の物事に気が散ると、仕事に完全に集中できるようになるのに平均25分かかるという。集中した状態を長く保ちたいと考えるのであれば、あらゆる障害物を取り除いておく
③生物学的にピークな時間帯に仕事をする
1日の中で自分のエネルギーレベルが最も高い2~3時間を選び、それをディープワークのための時間帯として定めておくこと。朝一番や昼食後、あるいは夕食後など、適切な休息をとった後の2~3時間
④適切な音楽を聴く
音楽によって気が散ってしまうのでは本末転倒となる。したがって、普段から聴き慣れた、繰り返しの多い曲で、歌詞のないものが理想的。また、音楽を使ったアプローチの優れた点は、気を散らす内的な要因と外的な要因をともに遮断する効果があること
⑤カフェインを戦略的に摂取する
カフェインを戦略的に摂取することで、脳内のアルファ波を呼び起こすことができるという。ここで「戦略的」とは、カフェインの摂取量を適切に抑えることを意味。(カフェインの適切な摂取量とされているのは「200ミリグラム」で、コーヒーに換算すると標準的なマグカップ1.5杯分に相当。この分量のカフェインは、人間の集中力を高め、集中した状態を長く保つのに有効であることが科学的に証明されている。ただし、それ以上のカフェインを摂取すると、コルチゾールとアドレナリンが急増し、ベータ波とガンマ波が増加してしまう。)
⑥1つの作業に集中する
仕事は「量」ではなく「質」がすべて。1つの仕事に集中することが大切。
⑦水分を十分に補給する
最後は、水分の摂取、これは人間の脳のパフォーマンスを向上させる(≒フロー状態「催眠状態」に到達しやすくする)最もシンプルで、最も見落とされがちな方法の1つです。
詳細は出典をご覧ください:
組織のリーダーシップ論、経営革新論、マネジメント論に関する思考体系
組織の成果達成を困難にし、複雑化させ、時には達成を不可能にする様々なリスクを低減するには様々な理論が存在します。以下に説明します。
リーダーシップ論:
- 特性理論: リーダーに共通する個人的な資質や特性を探求するアプローチ。
- 行動理論: リーダーの行動がフォロワーの成果達成を導くかを明らかにする理論。
- 条件適合理論: 集団が置かれた状況や条件に注目し、有効なリーダー行動を示す理論。
- リーダーシップ交換・交流理論: リーダーとフォロワーの相互関係がもたらす影響に着目した理論。
- 変革型リーダーシップ理論: 変革を推し進めるリーダーシップへの要請と研究に関する理論。
- 倫理型リーダーシップ理論: リーダーの倫理観や精神性に軸足を置く理論。
経営革新論:
経営革新論は、組織の変革を促進するための理論で、リーダーシップ論の変革型や倫理型の理論と重なる部分があり、経営革新は、新しいビジネスモデルや戦略を通じて、組織の持続可能な成長を目指す理論、考え方です。
マネジメント論:
マネジメント論は、組織が目標を達成するために活動を維持し、促進する管理に焦点を当てた理論です。リーダーシップは組織の指導に、マネジメントは組織の管理に重点を置いています。
この理論は、組織やチームが成果をどのように達成するか、プロセスの実施やリーダーの役割を理解する枠組みを提供します。各理論は時代や状況に応じて進化し、多様なアプローチを取り入れています。(アルファ波へ導く7つの方法を参考にしてください。)
思考方法:
問題解決や意思決定を行う際には、情報を整理し論理的に考えるプロセスが必要です。これには、データや事実に基づいた推論を行う演繹法や、観察から一般法則を導き出す帰納法などが含まれます。
ロジカルシンキング:
論理的思考は、直感や感覚に頼らず、情報を整理し筋道を立てて結論を導く方法です。問題を細分化し、各部分を個別に解決することで、全体の課題を解決するアプローチです。
プログラミング思考
プログラミング思考とは、コンピューターに指示を出すためのロジックを考える能力のことで、プログラマーがコンピューターに対して行う一連のコーディングや論理構築を指します。プログラミングでは、表示や計算などの基本的な命令、シーケンス(順序)、条件分岐、繰り返し処理などを組み合わせ、設計した通りの結果を得るために指示を行います。
AIの発達により影が薄くなっているデルファイ法:
デルファイ法は、専門家の意見を集約し、将来の予測や意思決定を行う手法です。この方法は、専門家にアンケートを実施し、回答を集計してフィードバックを行い、意見の収束を図ることを繰り返します。匿名性を保ちながら個々の偏見を排除し、平等な意見形成を促進します。プロセスは以下の通りです:1. アンケートの作成、2. 専門家からの回答収集、3. 回答の集計とフィードバック、4. これらのステップの繰り返し、5. 意見の収束を目指します。デルファイ法は多くのビジネスシーンで活用されていますが、人間の予測には限界があるため、デルファイ法の結果に完全な期待はできません。しかし、集団知を活用する一つの方向性として、有効な予測を提供することが可能です。
ロジカルシンキング:
問題解決の最大公約数:3つのプログラミング的なアルゴリズム
最大公約数的とは、
多様な考え方、理論、意見の中から共通点を見出し、対立するグループ間でも妥協が可能な価値観を見つけること。
経験が少なくても、リーダーシップがなくても、日々の作業や仕事をもれなく容易にするツールがあります。それはISO31000に基づく3つのサークルです。
問題解決のプロセス:
リーダーは、チームメンバーが自由に意見を述べ、議論し、自分の考えや感情を表現できるような、オープンで心理的に安全な環境を作り出すこと(Psychological safety)で効果的な支援をします。このようなリーダーのサポートにより、安全で安心な状況が促進され、チーム全体の幸福感が持続します。
リーダーシップとコミットメント、価値創造と価値の保護、リスクアセスメント。サークルの連携、相互作用、統合は必須です。
問題解決の思考:
①現状把握のプロセス ②原因究明のプロセス ③意思決定のプロセス ④リスク対応の4つプロセスはディベートとディスカッションをしながら全員参加で議論のルールをきめてそれに従って進める。
フィールド調査をディベートとディスカッションを交えながら進め、調査した後に、リーダーが解析を効果的に支援し、チームメンバーが自由に意見交換し、自身の考えや感情を表現できるオープンで心理的に安全な環境、場の雰囲気作りが重要です。リーダーがチームの懸念や疑問を解消することで、変化する時代に安全で安心な職場環境を築き、全員のWell-being ウェルビーイングを維持することができます。
リスクアセスメントプロセス
左図はClause6:リスクアセスメントのフローです。
組織内の問題を特定し、解決する思考方法:。
- 問題の認識と診断:
組織内の「摩擦」を特定し、問題を正確に診断するには原因を理解します。問題把握を正確にするには、共感と視点の多様性が重要です。組織の人々の視点を理解し、共感し、問題の本質を把握します。そしてアイデアは組織内の異なるバックグラウンドの人や様々な経験を持つ人々と協力して、多様なアイデアを収集します。 - 解決策の探求:
問題を解決するためのには、既存のプロセスの改善、コミュニケーションの改善、リソースの最適化などが含まれます。 - 実行とフィードバック:
提案された解決策を実行し、結果を評価します。フィードバックを受け入れ、必要に応じた修正を加えます。
問題解決にはチームメンバーや同僚と協力してコミュニケーションを円滑にし、共同作業を促進することが欠かせません。
- 持続的な改善:
「摩擦」を修復するだけでなく、持続的な改善を目指し,組織文化を変革する、DNAは同じでも、文化は「さなぎ」から「芋虫」、そして「蝶」になる文化変革です。
行動方法
問題の特定と分析:
組織内の問題の特定時には、“問題はこういうことが今起きている程度の「認識」ではなく、多くの問題を深堀り分析し「特定と分析」をする、と“これとこれが問題だ”と特定・分析・認識する。問題の特定分析には多くのステップと時間が必要です。職場におけるコミュニケーションの問題、プロセスのバリヤー、人々の衝突などの解決が含まれます。原因を分析し、根本的な要因を追究します。
多くの異なるバックグラウンドや経験を持つ人々とグッドコミュニケーションができる場で協力、人々の視点、理解、認識を理解し、共有することが問題の本質的解決につながります。
根本原因解決策の提案、本質改革の提案と実行:
既存のプロセスの改善、コミュニケーションの改善、リソースの最適化などが含まれ、それらの解決策を実行し、結果をみんなで評価します。
「摩擦」を修復するだけでなく、持続的な改善を目指し、問題の再発を防ぐために、組織文化を変革し、継続的な学びを繰り返す学習の場を作りLearning Companyになる。
各チーム間の連携の実施
PDCAの「Pの中でPDCAを回しP」、「Dの中でPDCAを回す」,「Cの中でPDCAを回す」,「AのなかにもPDCAを廻し続け」問題解決を図りプロセスを改善し続ける。より効果的に。チームの健康と安全、生産性も向上させるようにコミュニケーションを円滑に、共同作業を促進し、フィードバックやフィードフォワードを実行し修復、修正を繰りかえす。
まとめ
職場に以前残っている問題、課題、摩擦、複雑さ、非効率さに悩んでいたら、すべての行動の目的をもち、すべてのプロセスが有効・効率的に回り続け、チームが会社理念、ビジョンの実現を試みている様子に注目して改善をする。そのためには、
目標:
- リーダーシップスキルを強化する:
ポジティブな「摩擦」を受け入れながら、問題、課題、摩擦、複雑さ、非効率さを特定して排除する。
気兼ねなく意見が言える、Psychological safetyの場でコミュニケーションをする。 - チームの効率を高める: 実践的な演習を適用して学んだスキルをつかいプロセスを合理化し、コラボレーションを促進する。
- 組織の変化を促す: チームの共感を呼び、組織の目標と一致する行動計画を実施する。
理論だけでなく、3現主義を取り入れる。
あなたが経験豊富な経営幹部を育て、新進気鋭のマネージャーを育て、マネージャークラスに変化をもたらし、「問題解決」し、充実した業務を遂行、Well-beingにむけ前進する。