#1 Risk Based Inspection & Risk Based Maintenance
RBI/RBM
メンテナンス活動の問題点
そうはいっても「ウチはヨソとは違う、同じアプローチをとれる環境にない。会社が違えばメンテナンスの予算も人材も違う。いろいろな背景はありますが、このままで体系化は進まない。先に期待されるメンテナンスの合理化と, その結果の効率化が閉ざされてしまうことがあります。
重要な点は、メンテナンスにかかわる保全要員が個々の問題のどこが共通点なのか, 同じ問題の発掘のために時間を割き、メンテナンス技術を発展させようとすることができる環境文化を創ることです。
メンテナンス計画
アポロ13号は、1970年4月11日に打ち上げられ、月面着陸を目指していました。しかし、2日後に酸素タンクが爆発し、月面着陸は中止されました。その後、宇宙船の乗組員は、地球に帰還するための方法を模索しました。彼らは、宇宙船の電力を節約するために、地球との通信を断ちました。そして、彼らは手動で宇宙船を制御し、地球に帰還することができました。アポロ13号の帰還時のストーリーについては、映画『アポロ13』をご覧ください。
メンテナンス概念の再確立に移る前に
Risk-Based Maintenance (RBM)及び Risk-Based Inspection (RBI)の基準、規格について:
Risk-Based Maintenance (RBM)とは、設備の老朽化や異常、故障のリスクを評価し、その結果に基づいてメンテナンスや検査の計画を立てる手法・方法です。リスクベースドインスペクション Risk-Based Inspection (RBI)とは、RBMの一種で、検査対象の設備について、故障が起こったときの影響と故障の発生確率からリスクを算出し、検査の頻度や方法を決める。これらの手法は、設備の信頼性を向上させるとともに、メンテナンスや検査のコストを最適化することができます。
RBMやRBIを実施するには、適切な基準や規格が必要です。日本はJISやJSMなどが関連する基準や規格を策定、例は、JIS Z 8115は信頼性, 保全性と安全性の分野に用いるディペンダビリティに関する主な用語と定義について規定、JSM 001は原子力発電所の保全活動を適正化するために必要な基本的事項とその解説(JSM MSP 001)、原子力発電所の保全活動とありますが、「本書は保全技術者、保全研究者あるいは保全の専門家を志す若手の技術者、研究者の入門書です。また、海外では、欧米を中心にさまざまな産業分野でRBMやRBIに関する規格が設定されています。API 580は「リスクベースドインスペクション」、API 581は「リスクベースドインスペクション技術ガイドライン」などは参考になります。そして、これらの基準や規格は、設備の劣化メカニズムや故障プロセスを分析し、リスク評価の方法や計算式を提供しています。また、各企業が蓄積したノウハウや点検データなども活用されています。さらに、IoT技術の発展により、設備の状態を詳細にセンシングし、インターネットを通じて膨大なデータを収集・分析することで、より精度の高いリスク評価が可能になっています。このように、RBMやRBIは、基準や規格に基づいて客観的かつ合理的にメンテナンスや検査の計画を立てることができる有効な手法です。設備の安定稼働とコスト競争力の向上を目指す企業にとって、今後ますます重要になると考えられます。
メンテナンス概念の確立#2に続きます。