#2 Risk Based Inspection & Risk Based Maintenance

#1の続きです。

RBI/RBM

 

メンテナンス概念の再確立

メーカが定め推奨するメンテナンスの方法を改善する仕組みをユーザが開発しないで, 不十分なメンテナンスを実施していることがあります。ライフサイクルを通じた一貫したメンテナンス管理ができていないため, メンテナンスの効率化が上がらないこともあります。
今まで書いてきたようなメンテナンスに関する問題を短期間で解決するためには,  以下のような基本的な取組みをし問題の解決をすることが重要です。

1. 循環型社会におけるメンテナンスの重要性の認識

  社会は, 循環型社会に向かっています。大量生産、大量消費、大量廃棄のモノ中心のライフサイクルから使用価値が主のライフサイクルへの移行が必要です。そのような流れの中で循環型社会におけるメンテナンスの重要性を認識させるための活動が必要です。

 2. メンテナンス技術体系の確立

「メンテナンスは修理」、「壊れたものを直す技術」 と考えている人がおおくいます。 一方, 使いながら、使う中で改善、改良を続け, モノをより有効的に活用できる、することがメンテナンスであるという思考がメンテナンスです、この概念の再確立です。

3.ITを活用したメンテナンス管理

継続的な改善·改良を実施しモノを活用していくためには、ライフサイクルを通じてメンテナンスをする管理が必要になります。そのためには,製品や設備に関する設計, 製造, 使用のデータを統合的に管理し、ライフサイクルの各段階で活用できるようにすることが必要です。
コンピュータによる支援.製品開発のコンピュータ利用は超急激急速に進み, デジタルプロセスや仮想生産、DXはキーワードではなく多く入り込んでいます。このなかで, 従来では考えられなかったような3D設計、3Dプリンター、バーチャル空間など、その活用が盛んになっています。
製品開発プロセスにおいては, 開発リードタイムの短縮, 開発コスト削減といった要求を, 品質を落とすことなく、品質を向上させながら達成するために, かつて関連部門が同時にサイマルテニアス・エンジニアリング(SE)実施、開発から量産までのプロセスを同時に進めることで、品質、コスト、納期の向上を目指す開発をしています。SEでは、開発部門だけでなく、製造部門や調達部門など、関係するすべての部門がプロジェクトチームを組み、情報を共有しながら協力して製品を作ります。SEのメリットは、仕様変更や問題解決のための時間やコストを削減できることや、製品の品質や生産性を高められることです。SEを実践するには、フロントローディング(開発初期段階での深い議論)や品質ゲート管理(開発の節目での評価と決定)などの方法が有効で、SEは、モノづくりにおける競争力を高めるための重要な戦略と今でもなっています。
で摺合せが行われていたプロセス評価を,開発工程の上流で、設計への負荷増大を防ぐためにコンピュータ・デジタル支援化が必要です。
メンテナンスにおいても, ライフサイクルを通じたデータ管理や解析実施には莫大な作業量が必要となりますので ITの積極活用はなにより重要です。

劣化·故障解析の目的と概要

劣化·故障解析の目的は, 設備の使用にともなって生じる劣化と,それによって引き起こされる故障を予測することです。
劣化·故障解析は、設備開発段階での信頼性 保全性設計をする場合、運用段階で基本メンテナンス計画のために実施する場合, 運用段階で発生した種々の不具合の診断の場合など, 多くの場面で必要とされます。
劣化は物理的·化学的なモノ・アイテムの属性の変化です。一方、故障はアイテムに要求された機能が達成できなくなることです。設備の運用段階では、運転条件,環境条件に応じてアイテムはストレスを受け, それによってアイテムに種々の劣化メカニズムが起き、材質, 形状, 表面性状等の属性変化が生じます。アイテムに加わるストレスは設備構造や、その挙動, 環境条件などに依存し,またそれらによってアイテムに生じる劣化はアイテムの属性に依存します。したがって, 劣化解析では、劣化要因を的確に把握することが重要となります。

劣化に続いて故障解析について、

故障解析においては, 劣化によるアイテムの属性変化がそのアイテムの機能のどこに、どのような変化を生じさせるのか, さらにはそれが他のアイテムにどのように影響していくのかを解析することです。
劣化·故障解析は, 信頼性 安全性解析, メンテナンス計画等のさまざまな分野において必要とされる基本的な解析で, よく知られているのが、FMEA (Failure Mode and Effects AnalysisとFTA (Fault Tree Analysis)です。
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