No.1 Six key elements that collectively constitute good judgement.
6 つの基本要素 (学習、信頼、経験、無執着、選択肢、実行)
従来のピラミッド型組織はもう古い、これからは自律分散型の組織構造がふさわしいといわれています。でも安定的なオペレーションを組織能力とした場合は分散型の組織よりも従来のピラミッド型の組織の方がうまくいく。ネットワークを使い機敏性を求めるのであれば、分散型の方が適している、フィットしている。 マネジメント方法はピラミッド型と分散型とでは異なります。ですから、なんか日々の変わりは気づかないが少し前を振り返るとドキッとする、この時代、どんなリーダーシップが最適か、解はありません。
どちらの組織型であろうとマネジメントにおいて非常に重要なのは「リーダーが決断judgementと判断の違いを理解していること」、「判断」というのは、合理的に右か左かを判断するときは、根拠を積み上げればできるもの。一方、右に行くと毒蛇がいる、左に行く狼がいる。どっちに行くのも嫌だが、どちらかに進まないといけないような、合理的に意思決定できない状況において「決断judgement」が必要になります。さらにマネジメントにおいては「倫理的」な決断judgementも要求される。
決断judgementに限らず、組織の変革に必要なスキルはすべて経験と訓練によって身に付けることができます。また多くの書物が出ています。ここでは正しい判断をするための6つの基本要素 それは学習、信頼、経験、無執着、選択肢、実行です紹介します。No.1 、2、3に分けて投稿します。
判断する(原文はa decision must be made)
(注記:本セクションの、「決断する」原文はjudgementを使っています。decideとjudgeについて、decideは判断や決定を意味する言葉として使われ、基本的には個人の見解からくる「決定」や「判断」を意味します。個人の判断として捉える「decide」に対して、「judge」はルール、決め事や条項などに基づいた判断や第 3 者や複数の人が議論を交えて決める公正な判断などを意味し、明確な判断を要する場で使われます。)
組織活動で決定する内容には事実がまとめられ、選択肢に対する賛否両論が述べられていますが、特定した選択肢を裏付ける明確な証拠は一般的にありません。 会議の参加者は 議長、多くの場合は責任トップ、CEO に目を向け、選択肢は正しい判断であることの説明を求めています。つまり議長が正しい選択をしたということを示す証拠とCEOの解釈を求めています。
ノエル・ティシーとウォーレン・ベニス、によれば、判断(原文judgement)は個人の資質と知識や経験を組み合わせて意見を形成し意思決定を行う能力「模範的なリーダーシップの核心」であるという。 明確で関連性のあるデータや明白な道筋がない場合でも、健全な選択が可能になります。 聞き手として、見解と証拠を解釈することができます。 もちろん、私たちにも必要なのは正しい判断です。
注記:ノエル・ティシー 及びウォーレン・ベニスは今までリーダーシップの投稿で引用している出典「経営革命大全 世界をリードする79人のビジネス思想家」に入っています。
一部の専門家は、正しい判断(judgement)は後天的な本能または「直感」と定義、深い経験と無意識レベルの分析スキルを何らかの形で組み合わせて、洞察を生み出し、他の人が見落としているパターンを認識するとしています。 大まかに、この定義は直感的には理にかなっていますが、判断力とは何かを理解するだけでは前に進むことはできません。判断力を獲得し、認識方法を獲得しなければ前に進むことはできません。
優れた判断力を持つリーダーは、聞き上手で読み手である傾向があります。他の人の本当の言いたいことを聞くことをし、結果、他の人が気づかないパターンを理解する。 リーダーは他の人が見逃している類似点を認識できる幅広い経験と人間関係を持っています。自分が何かを知らない場合は、知っている人に頼ります。 リーダーは自分自身の感情や偏見を認識し、知らない状態から抜け出ることができます。 リーダーは検討する選択肢を広げることにたけています。 選択をするときに、リーダーは現実世界に根ざし、選択項目を実際に動かす要素を組み込み、すぐに使えるようにそういった状況にすることを考慮します。
リーダーがとる実践、育成できるスキル、構築できる人間関係が、リーダーの判断(judgement)に影響します。正しい判断の 6 つの基本要素(element) 学習、信頼、経験、無執着、選択肢、実行のそれぞれの説明とそれらの改善方法です。
リーダーがするjudgement(決断):ヴィジョンの提供を実践している。そして学び話し合う。
ビジョンは、社員の努力の方向性を示し、組織全体の活動を統合し、社員の行動を促すうえで、決定的な意味を持っています。ビジョンなしでは、6 つの基本要素(element) 学習、信頼、経験、無執着、選択肢、実行のサイクルは回りません、「適切なビジョンの説明がないと、ビジョンに向けた努力は、時間ばかりを要するプロジェクトの集まりになってしまう」、その結果、誤った方向に進むか、あるいはどこにも行き着かないという事態に陥ってしまいます。 『顧客志向』、『リスキリング』、『DX/RPA』『リエンジニアリング』,『オンラインコミュニケーションで…効率化』、のスローガンが貼られるだけでは、社員の心は会社から離れてしまいます。
つまり、経営は聞き上手であり、読み上手なコミュニケーションが必要です、ビジョンだけをもって変革に着手し、短期的に乗り出すのでは、全員の参画が特にビジョンをまとめ上げるには必要です。会社をみんなで、どこに導いていきたいのか、その行き先をはっきり見通し、ビジョンを創りあげる全員参加のステップバイ・ステップを踏むことが必要です。
0º 学習: 注意深く聞き、批判的に読む
正しい判断(judgement)をするには、知識を理解に変える必要があります。 当たり前のように聞こえますが、いつものように、望ましくない状況は細部に潜伏しています。多くのリーダーは、受け取った情報を無意識のうちにフィルタリングしたり、聞いたり読んだりしたものを十分に批判していないため、急いだ誤った判断となります。必要なことは注意深く聞き、ネガティブに批判的に読むことも時には必要です。
また、受け取った情報を理解。解釈吸収している人はほとんどいません。 多くの人は期待していないことや聞きたくないことをフィルターで排除します。そしてこの傾向は年齢とともに必ずしも改善されません。大人が気づかないことを、子供は気づいていることがあります。
上に書いたようにリーダーは入手可能な多くの情報を見逃しています。また成功は過信が伴うことが多いため、トップパフォーマーは特にこの弱点に陥りやすいのです。
優れた判断力judgementを持つリーダーは、聞き上手であり、読み上手でもある傾向があります。
文書による情報過多も課題です。時間と集中力を大量に要求される リーダー が、大量のメールや説明資料に苦労するのは当然です。 大企業の上場企業の取締役は、大きな会議の前には最大 100 万語もの単語を読む必要があります。 このような洪水に直面すると、ざっと読んで、自分の信念を裏付ける資料だけを覚えておきたくなる誘惑にかられます。
資料を読むのは過負荷だけではありません。 微妙なリスクは、書かれた言葉を額面通りに受けとってしまうことです。 人の話を聞くときは、私たちは意識的または無意識的に聞いている内容の質についての非言語的な手がかりを探します。
一方、多くの人は読んでいるときには、非言語的な文脈を読むこと、行間を読むことをしていません。さらに、最近「フェイクニュース」が一般的になるこの時代では、意思決定者は、見聞きする情報、同僚によってフィルタリングされた情報や、検索エンジンやソーシャルメディア交換から得られた情報の質に特別な注意を払う必要があります。
資料の品質がどれほど変動するかを理解した上で、評価とフィルタリングに慎重に取り組んでいますか? 無意識のうちに情報を選別してしまうことはありませんか。あなたが読んでいる新聞は、あなたが同意できる記事を書いている新聞を選んでいませんか?
改善するには:
言われていないことを聞き出すことやボディランゲージを解釈することなど、積極的に聞くスキルは磨くべきことであり、それについては多くのアドバイスがあります。
自分自身のフィルターや、別の議論を妨げる可能性のある防御的または攻撃的なものに注意してください。 聞いていて退屈して焦った場合は、質問して結論を確認してください。 書面によるブリーフィング資料に圧倒されている場合は、会議で聞くプレゼンテーションを要約した部分ではなく、質問や問題について議論している部分に焦点を当ててください。話されている内容や書かれている内容にギャップや矛盾がないか確認してください。 基礎データはどこから来たのか、それを提供する人はどんな利益があるかについて慎重に考えてください。 可能な限り、議論の複数の人々、特に普段同意しない人々から意見やデータを入手してください。 最後に、信頼するデータの基準とプロキシが適切であることを確認してください。 指標の不一致を探し、それらの理解に努めてください。
(プロキシは様々な用途に利用されており、クライアントのインターネットアクセスログを集約する用途でも使いますし、URL フィルタリング、データボックスなどより高度なセキュリティ対策を強化したプロキシもあります。)
1º 信頼: 検証ではなく多様性を追求する
リーダーシップは孤独な努力であってはなりません。決定の実行には周りの人リーダーを巻き込み進めることです。スポンサーは一人で負わないことが多くの人の信頼を得ることにつながります。 リーダーは、意思決定に近づく際に、自分だけでなく他の人のスキルや経験も活用できます。 アドバイザー・スポンサーを誰資するか、彼らにどれだけの信頼がおかれているかを判断することが、リーダーの質となり重要です。
一方、多くの CEO や起業家は、単に自分たちの意見を反映して正当化するだけの人々を会社に迎え入れています。
改善するには:
信頼できるアドバイス源、つまり、あなたが聞きたいことではなく、知る必要があることを教えてくれる人々を育てる。日常耳に届かない、あなたのまわりで語られていないことが出てくる環境を作りあげる。人はこれまでのキャリアの中で、「本当の」困難や挫折、あるいは失敗について言及できる環境をつくる。情報が十分でない、矛盾するアドバイスがない環境をつくる。あなたの意見に反対する人は、あなたが必要とすることを提供してくれます。
各個人の意見を取り入れ、多角面からレビューをし、それぞれの意見を受け入れる。
それぞれの意見を受け入れ、ビジョンを磨き上げること。ひとりひとりが自分の職場、違う職場ではあるが同じ会社の他職場や環境に飛び込み、学びと気づきをその中から学習し、学習したことを職場ビジョン(vision)に反映し、相互啓発すること。その機会の場があること。
さらに多様性を心得、
グローバルカンパニーは異質なものを排除せず、多様性を受け入れることが必要です,そのポイントは以下です。
ポイント1: 自分も異質で多様性の一部である
多様性の尊重には、「私は、私と違うあなたを尊重します」と考える人がいますが、これは自分を多様性の外に置いて、自分自身を「基準」にして見ています。自分自身が基準です、これはまずい、自分自身を見た時に、自己中心の基準になっていませんか。「自分も異質で多様性の一部分だ、相手も異質、多様性の一部だ」と、両方とも同じだととらえることが大事です。
ポイント2: 事実と解釈を混同しない
自分と異なる世界や人々を理解するときは、事実と解釈を分けることが必要です。なぜなら、事実を解釈する時は、自分の経験を当てはめて考えるからです。自分の解釈だけではなく他人の考え、意見、事実を聞き加える。
ポイント3:フラットでオープンである
階層やポジション(職位、地位)は単なる「役割の違い」で、そこに優劣を持ち込まないこと。
スティーヴン・コヴィー
原則を守るリーダーの8つの目立つ特徴
特徴 | 内容 |
継続的に学習する | 鍛錬の場を求め、講習を受ける。話をよく聞き、質問をする。 |
奉仕の精神を持つ | 生きるとは「出世を求めることではなく使命を果たすことだ」と考えている。 |
前向きのエネルギーを発散している | 元気、快活、愉快、楽観的、前向き、陽気、情熱的、希望にあふれ、人間というものを信用している。 |
人を信頼する | 相手の否定的な態度にも過剰反応せず、恨まない。人にレッテルを貼ったり固定観念で見たり、偏見を抱いたりしない。 |
バランスのとれた生活を送っている | 性格が安定しており、温和、温厚。賢明で思慮深く、気取らず、率直。人を思いのままに操ろうとはしない。よく体を動かす。社交的で読書家。狂信的はなく、常軌を逸したのめり込み方はしない。くよくよしない。賞賛も非も同じように受ける。他人の成功を心から喜ぶ。 |
人生は冒険だと考えている | 勇敢で、物事に動ぜず、柔軟な姿勢で人生を探求し、生活を楽しむ。 |
周囲に相乗効果を与える | 創造的で「颯爽とした仕事ぶり」で周囲に刺激を与え変化を促す。 |
肉体面、知的な面、情緒面、精神面での自己改革に努めている | エアロビクスに励んでいる。読書や執筆、創造的問題解決を好む。感情はかであるが、我慢強い。共感的態度で人の話を聞き、無条件の愛情を示す。祈り、瞑想、断食を実行し、聖典を読む。 |
<出典:Stephen R. Covey, Principle, centered Leadership (New York) >
私の記憶:名古屋鉄道 伊勢湾台風時の社長 竹田弘太郎様の記憶、名古屋鉄道の線路は伊勢湾台風ズタズタで大きな被害を受けた、その復旧に貢献した人々は、会社に改革を要求する、経営改善を要求する人々であった。その後、竹田社長は人の意見を受け入れ話し合うようにした。
Design Safety System
出典:This article appeared in the January–February 2020 issue of Harvard Business Review.
出典:Stephen R. Covey Principle, centered Leadership (New York)
出典:Warren Bennis, Burt Nanus, Robert Townsend, John P. Kotter, Manfred F.R. Kets de Vries Warren Blank John R. Katzenbach>
出典:John P.KotterのLeading Change Boston, Harvard Business School Press)