Risk based Monitoring, Internal Audit, Management review

注意力の選択-つまり何に注意を向け、何を無視するか-それは人の生活の内面にとって、外面における行動の選択と同等である。いずれの場合も、人は自分の選択したものに責任をもたねばならないし、その結果かどんなものであれ、受け入れなければならない。
スペインの哲学者ホセ·オルテガ·イ·ガセットは、「あなたが何に注意を向けるか、教えてほしい。そうしたら、あなたがどういら人か教えてさしあげよう」と言っている。

-W·H·オーデン(イギリス生まれアメリカに移住した20世紀を代表する詩人の一人)

危険の感覚が消え失せてはならない
たとえここからはどんなに緩やかに見えようと
君の行く道は短く険しいのだ
見たいなら見るがいい、でも君は跳ばなくてはいけない

ISO 45001のChapter9について、見る前に跳べ!

9.1 モニタリングについて、
組織が効果的なモニタリング、測定、分析、そしてパフォーマンス評価のプロセスを確立し、維持することは、安全な職場を創る成功の鍵です。これらのプロセスによって、組織は自身の活動が法的要求事項やその他の要求事項に適合しているかどうかを確認し、リスクを管理し、機会を最大限に活用することができます。また、安全目標の達成度を測定し、運用の有効性を評価することも可能になります。これらのプロセスは、組織が目標に向かって着実に進んでいるかを把握するための重要な指標を提供します。

モニタリングと測定の方法は、結果が信頼できるものでなければなりません。そのためには、使用される機器は常に正確であることが求められ、校正や検証が定期的に行われる必要があります。これは、組織が取り組む活動が常に最高の基準に達していることを保証するためです。さらに、これらのプロセスを通じて得られたデータは、組織が将来の計画を立て、改善を図るための貴重な情報源となります。

組織は、これらのプロセスを通じて得られる情報を適切に管理し、関係者とのコミュニケーションを効果的に行うことが重要です。これには、モニタリングと測定の結果を分析し、評価すること、そしてそれらの情報を適切な時期に関係者と共有することが含まれます。また、組織は、これらのプロセスの結果に基づいて、必要な場合には迅速に行動を起こすことができるように、柔軟で反応性の高い体制を整える必要があります。

結局のところ、モニタリング、測定、分析、そしてパフォーマンス評価のプロセスは、組織が持続可能な成長を遂げるための基盤を築くものです。これらのプロセスを通じて、組織は自身の強みを理解し、弱点を克服し、将来に向けてより良い戦略を立てることができるのです。そして、これらのプロセスが適切に実施され、維持されることで、組織は長期的な成功を確実にすることができるでしょう。

 

9.1.2 順守評価

組織が法的要求事項およびその他の要求事項に対する順守を評価するプロセスは、その組織の運営において極めて重要な要素です。このプロセスには、法律や規制、契約条件など、組織が遵守すべき様々な要素が含まれています。組織は、これらの要求事項を特定し、それらがどのように組織の活動に関連しているかを理解する必要があります。また、組織はこれらの要求事項を満たすために必要な手順やプロセスを確立し、それらが適切に実施されているかを定期的に評価する必要があります。この評価は、組織が法的要求事項およびその他の要求事項に適切に対応しているかどうかを判断するための基準となります。

例えば、ISO45001の規格では、組織が労働安全衛生マネジメントシステムを構築・運用・改善する際に、法的要求事項およびその他の要求事項を考慮に入れることが求められています。これには、法律や規則、認可、裁判所の判決、条約などの法的要求事項だけでなく、組織の自主的なコミットメントや契約条件などのその他の要求事項も含まれます。組織はこれらの要求事項を特定し、それらに対する対応を計画し、実施し、その効果を評価するプロセスを文書化し、維持する必要があります。

さらに、組織は法的要求事項およびその他の要求事項の変更を常に監視し、最新の情報を入手し、それに応じてマネジメントシステムを更新する必要があります。これには、法務部門や外部の専門サービスを通じて情報を監視することも含まれるかもしれません。また、非管理職との協議を通じて、これらの要求事項を満たすための方法を決定することも重要です。これにより、組織全体で法的要求事項およびその他の要求事項に対する理解とコミットメントを高めることができます。

結局のところ、法的要求事項およびその他の要求事項に対する順守は、組織の信頼性と責任を示すものであり、ステークホルダーに対するコミットメントを強化します。順守評価のプロセスを適切に実施することで、組織はリスクを管理し、持続可能な運営を確保することができるのです。このプロセスは、組織が社会的責任を果たし、長期的な成功を達成するための基盤となります。順守評価は、単なる義務を超え、組織の価値と成長に貢献する戦略的な活動となるのです。

9.2 内部監査

組織は、内部監査により、安全管理のマネジメントシステムが、組織自身が定めた安全方針と目標を含む要求事項、45001規格の要求事項に適合し、効果的に実施され維持されているかどうかを評価するため定めた間隔で内部監査を行わなければなりません。

監査プログラムの計画と実施においては、監査基準と監査範囲を明確にし、監査員の選定を通じて監査プロセスの客観性と公平性を確保することが求められます。監査結果は、関連する部門の管理者だけでなく、従業員、その代表者、およびその他の利害関係者にも報告されるべきです。不適合が発見された場合には、それに対処し、安全パフォーマンスを維持し向上させるための措置を講じることが重要です。これらのプロセスの文書化は、監査プログラムの実施と監査結果の証拠として保持されるべきです。ISO規格19011は、監査と監査員の能力に関する詳細なガイドラインを提供しており、組織が監査プログラムを効果的に計画し、実施し、維持するための重要なリソースです。監査プログラムの成功は、組織の全体的なマネジメントシステムの成熟度と効果を反映し、組織が持続可能な運営を行うための基盤を強化します。組織は、監査プログラムを通じてリスクを特定し、管理し、機会を捉えることができ、これにより組織の全体的なパフォーマンスと競争力を高めることができます。監査プログラムは、組織が法的要求事項やその他の要求事項に対する順守を維持し、改善するための重要な手段であり、組織のリーダーシップと従業員が共に関与し、協力することで、その有効性が最大化されます。組織が監査プログラムを適切に実施し、継続的に改善することで、組織の信頼性、透明性、および持続可能性が向上し、利害関係者からの信頼を得ることができます。結論として、監査プログラムは、組織がその目標と戦略を達成するための重要なサポート機能となります。

 

9.3 マネージメントレビュー

組織のトップマネジメントが安全管理システム(OHSMS)の有効性を確保するために行うマネジメントレビューは、組織の持続可能性と成長に不可欠なプロセスです。このレビューは、組織が直面するリスクを管理し、従業員の安全と健康を保護するための方策を評価し、改善する機会を提供します。レビューの過程で、トップマネジメントは前回のレビューからの進捗、外部および内部環境の変化、利害関係者の期待、法的要求事項の遵守、リスクと機会の評価、安全衛生方針と目標の達成度、パフォーマンス指標、インシデントの発生、不適合と是正措置、監査結果、従業員の参加、資源の適切性、そしてコミュニケーションの効果性を検討します。

これらの要素は、組織が安全管理を維持し、継続的に改善するための基盤を形成します。マネジメントレビューのアウトプットは、安全管理システムの現状の評価だけでなく、将来の方向性と戦略的決定を導くための重要な情報を提供します。これには、必要な変更、追加資源の特定、新たなリスクへの対応策、事業プロセスとの統合の改善、そして組織の全体的な戦略的方向性に関する決定が含まれます。

トップマネジメントは、これらの結果を従業員とその代表者に伝達する責任を負い、組織全体で安全管理システムの理解とコミットメントを深めることが求められます。また、マネジメントレビューの結果は文書化され、将来のレビューのための基準として、また法的要求事項やその他の規制に対する組織の遵守を証明する証拠として保持されます。このプロセスを通じて、組織は安全管理システムの継続的な改善を図り、従業員の安全と健康を守りながら、ビジネスの成功と持続可能性を追求することができます。

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