SeeからObserveに切り替えよう
マリア・コニコヴァ(*『シャーロック・ホームズの思考術』(早川書房)著者)が幼かったころ、寝る前に父がパオプの煙に満たされたながら「シャーロック・ホームズの冒険、ボヘミアの醜聞」読んでくれた。
ここから、『ボヘミアの醜聞』(原題:”A Scandal in Bohemia”、イギリスの小説家、アーサー・コナン・ドイルによる短編小説)から抜粋しています。
ホームズとワトスンの違い?
ホームズとワトスンが、見ること観察することの違いについて会話する場面です。
ワトスン:きみ(ホームズ)の説明を聞くと、いつもあきれるほど簡単なので、私にだってできそうな気がするんだが、実際には、推理の過程を説明されるまでは、きみの引き出す結論が、どうにもわからないんだから情けない。私の目だって、きみのと同じくらい、いいはずなんだがね
ホームズ:それはそうだろう(ホームズは煙草に火をつけて、肘掛け椅子に腰をおろしながら答えた。)きみの場合は、見るだけで、観察しないんだ。見るのと観察するのとは、まるっきりちがう。たとえば、きみは、玄関からこの部屋へあがる階段は何度も見ているだろう?
ワトスン:何度も見ているよ
ホームズ:何回ぐらい見ているかね?」
ワトスン:そうだね、何百回となく見ているだろう
ホームズ:ではたずねるが、何段あるか知っているかね?
ワトスン:階段の数か?それは知らないな
ホームズ:むろん、そうだろうと思った。つまり観察をしないからだ、見ることは見ているんだがね。
ぼくが指摘したいのは、そこなんだ。ぼくは17段だと知っている。それね、見るだけでなく、観察しているからだ。
===ここまでが抜粋です=====
『シャーロック・ホームズの思考術』の筆者マリア・コニコヴァの父が読み聞かせで初めて(上の抜粋)それを耳にしたときは、このホームズとワトソンのやりとりに気段数?づきをえて、わが家に階段はいくつあるかをまず考えて、玄関先の階段の段数だったか(記憶はみごとに空白だった)。2階へ上がる階段数?地下室へおりる階段は何段あるか?
この会話は私へのギフトでした。
ここからは私の気づきをまとめてみました。
この小説を読んで、気が付いたことがあります。仕事柄、現場安全観察という言葉を頻繁に使っています、階段をあちこちで上がったり下がったり、また見ています。現場だけでなく、駅、散歩道、スーパーへ買い物、神社参拝、公園、モールの階段などを多く見ますが?
さて階段数は、とおもいだそうとしても????浮かびません、10段程度かなですね。つまり観察をしないからだ、見ることは見ているんだが。それだけでなくて現場で観察をするのではなく、観察出来ていない、ただ見るだけ、眺めるだけと景色になっているだけだ。You Only See, but you do Not Observe.
観察するには、どのようにすればいいのだろうか。
現場の安全巡視パトロールを「ただ見るだけ」の状態から「観察」へと質を高める
現場の安全巡視パトロールが「ただ見るだけ」の状態から「観察」へと質を高めるためには、いくつかの具体的なステップを踏む必要があります。
以下に、経験値をまとめた内容を使い、改善するのための具体的な方法をいくつかご紹介します。
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観察の目的を明確にする
- チェックリストの活用:
- 事前にチェックリストを作成し、確認すべき項目を明確にします。これにより、漫然と眺めるのではなく、具体的なポイントに意識を向けることができます。
- チェックリストには、機械の動作状況、作業者の服装、整理整頓の状態など、具体的な項目を含めます。
- 危険予知の視点:
- 「何が危険か」「どこに危険が潜んでいるか」という視点を持って観察します。過去の事故事例やヒヤリハット事例を参考に、潜在的な危険性を予測する訓練をしましょう。
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観察のポイントを具体的にする
- 五感を活用する:
- 視覚だけでなく、聴覚(異常な音)、嗅覚(異臭)、触覚(異常な振動)など、五感をフル活用して情報を収集します。
- 変化に気づく:
- 日常的な状態を把握し、変化に気づくことが重要です。例えば、機械の音の変化、作業者の動きの変化などに注意を払いましょう。
- 記録を残す:
- 観察した内容を記録に残すことで、客観的な評価が可能になります。写真や動画を活用することも有効です。
- 観察スキルを高めるためのトレーニング
- 安全教育の受講:
- 安全に関する知識を深めるために、安全教育や研修を積極的に受講しましょう。
- 事例研究:
- 過去の事故事例やヒヤリハット事例を分析し、原因や対策を学ぶことで、観察力を高めることができます。
- 模擬パトロール:
- 実際の現場を想定した模擬パトロールを行い、観察スキルを磨きましょう。
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意識改革
- 当事者意識を持つ:
- 「自分ごと」として捉え、安全に対する責任感を持ちましょう。
- コミュニケーションの重視:
- 作業者とのコミュニケーションを通じて、現場の状況を把握し、安全意識を高めましょう。
具体的な行動例
- 毎日、観察のテーマを決めて現場に入る。
- 危険個所を指摘し、改善提案をする。
- 作業者と積極的にコミュニケーションを取り、安全に関する意見交換を行う。
- 過去の災害事例を調べ、現場に置き換えて危険個所を考える。
- チェックリストを常に更新し、現場に合ったものにする。
これらのステップを踏むことで、「ただ見るだけ」から「観察」へと意識と行動を変化させ、現場の安全性を向上させることができます。